リルコノ
2014/08/31 09:08

追跡者を追跡する必要性 by ゲリー・コバックス

今パソコン、もしくは携帯の前でこのサイトを見てくださっている皆さんは、1日にどれ位インターネットにアクセスしていますか。FireFoxを作ったMozilla の前CEOゲリー・コバックスは最近の調査で若い世代の人は1日8時間はネットに触れていると言います。

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Lilcono(リルコノ)ライターのるぃです。

今では25億の人がインターネットを利用していて、世界人口の30%の人が同時にネットで繋がっているのです。世界がとても身近なものになったのと同時に、私達個々人が世界にさらされている世の中にもなったと言えます。つまり、世界への扉が開いた対価として個人のプライバシーを差し出すことになったのです。

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追跡されている個人情報

ゲリーの例えで言うと、ヘンゼルとグレーテルが森の中で迷いパンくずを跡に残すように、私達は1クリックする度に名前どころか誕生日、住んでいる所、お財布事情までバラバラと個人情報をばら撒いているのです。必ずしもそれが悪いというのではなく、それらの情報について許可や同意を求められ、理解した上で提供すれば、本を読んだり、映画を観たり、家族や友人と連絡を取ったりとても便利と言えます。これを行動追跡と言います。が、問題は許可も同意も求められていないのに情報を得ているサイトがとても多いということです。現状、規制する法律もルールもほぼ無い無法地帯で何十億人ものネット利用者はネット上で素っ裸にされているようなものです。

ゲリーコバックス
 

目に見えないストーカーの存在

Collusion というブラウザのアドオンをパソコンにインストールすると自分のデータがどこへ行って、誰に追跡されているかがわかるというものです。ゲリーはある典型的な1日をこのCollusionで試してみました。朝起きてからメールチェックから始まり朝御飯を食べるまでの短時間の間になんと25サイトから追跡を受けていることがわかりました。実際にアクセスしたのはたったの4つです。1日の最後には150サイトから追跡を受けていて、そのうちのほとんどが訪れてもいないのに追跡されているサイトだったのです。彼の娘さんにも試しました。9歳の彼女がアクセスするのはほとんどが子供向けサイト、それでもあっという間に同意も許可もしていない多くのサイトからの追跡を受ける結果となっています。これが実世界なら得体の知れない連中がメモやカメラを持って一挙手一投足を記録してまわっているようなものなのです。

ゲリーの典型的な1日
Collusion (青い点=実際に訪れたサイト 赤い点=訪れてもないサイト グレーの点=不明)

そしてこれらの情報を集めたものを入手されれば出来ないことは何もないのです。自分の知らないところで傷つけられる可能性を大きく秘めています。ネット上に流れてしまった記憶・記録は永遠です。自分の情報を守ること、どういった相手に自分が同意したのか、誰に自分の行動を追跡され監視されているのか、追跡者を追跡し、監視者を監視することが最も重要なことです。

無意識にどんなものにでも同意のチェックを入れたり、クリックOKしたりしないこと。プライバシー設定がある場合は必ず自分でどんな設定になっているか確認することを念頭に置き、常に気をつけておく必要があるということを知っておきましょう。

この記事を書いた人

るぃ・ベジェン
るぃ・ベジェン
英語科卒。百貨店と貿易物流会社を経て、カナダ・バンクーバーにてマーケティングとギャラリーマネージャーを経験。
帰国後、某大手企業にて翻訳/通訳/事務を通して日本と米国を行き来。
Foodieとしてレストランやカフェに通うと共にアラサーの体をいたわりホームクッキングにも精を出している。
安くて良いものを探す関西人魂は海外でも健在。海外から様々な切り口でライフスタイルを執筆。
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