赤塚不二夫生誕80周年記念として、「おそ松くん」の6つ子が大人になった姿を描いた「おそ松さん」が放送されている。
内容が物議を醸し、DVDに収録されないことが決定した第1話はニコニコ動画において1週間で再生数100万回を越え、pixivでの投稿作品は日に日に増えている。
6人が劇中で着ているパーカーは予約時点で完売するなどその人気は勢いに乗っている。
乙女ゲーム?アイドルアニメ?と錯覚するほどの豪華キャスト
放送開始前から注目されていた点は、なんといってもキャスト陣だろう。リーダー役だが色々と雑な長男、おそ松役に櫻井孝宏。
クールでかっこつけているがいまいち決まらない次男、カラ松役に中村悠一。
唯一の常識人で基本的にツッコミにまわることの多い三男、チョロ松役に神谷浩史。
マイペースでしれっと毒舌を吐く四男、一松役に福山潤。
常にハイテンションで何をやらかすか分からない五男、十四松役に小野大輔。
甘え上手で女子力の高い末っ子、トド松役に入野自由
6つ子以外も「シェー!」でお馴染みのイヤミ役に鈴村健一と、人気声優が揃ったことに期待せざるを得ないファンが多かった。
そんなファンからの期待に満ちた第1話はモノクロ画面、昔ながらの画面比率から開始した。その名も「ふっかつ!おそ松くん」である。
久々のアニメ化に浮かれるおそ松達であったが、「昭和のアニメだった僕たちが今時、受け入れられるかな……」と1人不安なチョロ松。しかしおそ松は「ばっちり人気が出る作戦がある」秘策があると話し始め……
次の瞬間、一気にモノクロからカラーになったかと思えば、始まったのはライブシーン。アイドルとしてステージでパフォーマンスを始めた6人に「あれ、違うアニメ?」と目を疑ってしまった人も多かったに違いない。
某アイドルアニメを彷彿とさせるライブシーンが始まったかと思えば、次は学園ものに(ここでも様々なアニメのパロディが続く)。
ヒロインのトト子を巻き込み、6つ子のキャラが描かれていくも、「最近のアニメのノリ」に疲労困憊の6人。
徐々に「良いアニメにしたい」という思いから迷走し始め、放送第1話はやりたい放題のまま6人が成長した結果、「おそ松くん」から「おそ松さん」に変わったところで終了する。
なんとアニメ第1話は序章にしか過ぎなかったのだ。
6人の輝く個性
この「おそ松くん」から「おそ松さん」へと成長するまでに、彼らが手にしたものがある。それは、「個性」だ。放送開始数分後のモノクロ時代では、6人はほぼ見分けがつかない状態で描かれていた。
声だけがそれぞれ違うが、台詞が無かったら誰が誰だか分からない。
原作では執筆の効率化のためにコピペで描かれていたという話もあり、「両親でさえ区別がつかないことを利用していたずらをする回」もあった。
それが、髪型、眉毛、口や黒目の大きさといった些細な違いではあるが、ほぼ全員同じ顔であった「おそ松くん」から「おそ松さん」となった彼らは見た目の大きな違い、個性を手に入れたのだ。
その個性と性格からお互いの関係性を妄想することで、私たちは萌えてしまうのではないかと思う。
そして好きなキャラの「推し松」、更には「○○松と××松」という好きな組み合わせが生まれていくのだ。
松パーカーで兄弟を見分ける
劇中で彼らが着るパーカーの着こなしにも、それぞれの性格がよく出ていることが分かる。左から見ていくと、ニット帽とパンツのロールアップでさり気なくおしゃれを取り入れる可愛い系のトド松。
兄弟のリーダー役でもあるおそ松は基本のスタイル。クールなカラ松はワイルドに袖まくり。
ツッコミ役で真面目なチョロ松はシャツと合わせてカチッとした着こなし。
ジャージにサンダルな一松は着るものに無頓着なことが分かる。
おバカで天真爛漫な十四松は元気いっぱいの短パンだ。
個性を手に入れた彼らはどこへゆく
全員無職でやることも無いまま、だらだらと日々を過ごす6人。昼から居酒屋で飲んだり、ギャンブルに手を出したりとろくでもない。
そんな6つ子の姿が時にコミカルに、時にシニカルな笑いを含めて描かれている。
かと思えば第5話の「エスパーニャンコ」で謎の多い一松の心の内が暴かれたりと兄弟の関係性を丁寧に描く回もあるので、本当に油断ならない作品だ。
どれだけファンの心を奪えば気が済むのだろうか。
第2クールの製作も決定し、まだまだ彼らの日々は続く。さあ、あなたの好きな松はどの松ですか。
リンク:おそ松さん公式サイト
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放送時間(変更する場合有り)
テレビ東京・テレビ大阪:毎週月曜深夜1時35分~
テレビ愛知:毎週月曜深夜3時05分~
BSジャパン:毎週土曜深夜0時0分~
AT-X:毎週火曜深夜0時30分~、毎週木曜夕方4時30分~、毎週日曜夕方6時30分~、毎週月曜朝8時30分~
おそ松さん in ナンジャタウン
2015年12月4日(金)~2016年1月31日(日)
この記事を書いた人
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生まれも育ちも静岡県。青山学院大学文学部日本文学科卒業。音楽、ゲーム、文学、映画、漫画、アイドルといったエンタメ系コンテンツが主成分です。休日は主にライブハウスに出没。
以前は商社で物流を管理していたものの、一大決心した後に音楽の話題に特化したライターとして活動を開始。おしゃれで素敵なバンドの情報をどんどん発信していきたい次第です。
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