周りから結婚の報告をされることが多くなった時、思い出した漫画がある。それは現在「Kiss」にて連載中の漫画作品、「逃げるは恥だが役に立つ」だ。
海野つなみによるこの作品は2012年から連載されており、現在コミックスは6巻まで発売中。今年、第39回講談社漫画賞・少女部門を受賞し、大きな注目を集めている。
気になるあらすじは?
大学院を卒業しながらも、就職難のため無職の身である森山みくり、25歳。そんなみくりは父親から会社の元部下である津崎の家で家事代行の仕事をするよう頼まれる。
気難しい性格の津崎であったが、紆余曲折を経て2人は距離感を縮めていく。
そんな矢先、みくりが家庭の事情から家事代行を辞めることに。
しかし、「仕事をしたい」みくりと「家事全般をやって欲しい」津崎の2人が双方のメリットを理由に選んだ答えは「契約結婚」だった……。
表面上は夫婦だが実際は雇用主と従業員であり、夕食を作った後は「勤務外」として遊びに行っても良いというビジネスライクな関係性だ。
当初はその居心地の良さを維持していくはずだったが、「役割としての恋人になって欲しい」というみくりの一言から次第に恋愛に発展していく。
「結婚」を恋愛としてのゴールと見る人もいるが、この2人は「結婚」がスタートになっているところが面白い。
相手の心を知りたいと願い積極的になるみくりと、自信の無さから弱気になってしまう津崎は1番近い距離にいながら、なかなかすぐに両想い、とはいかない。
思わずみくりも呆れてしまうほどの津崎のヘタレ具合には、こちらも共感してしまうだろう。
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恋愛漫画の枠に収まらない魅力、リアルなキャラクター
自分の状況をどこか見たようなテレビ番組風に妄想する一方で、日々の中で常に物事を考えるみくり。仕事のグローバル化、経済の回し方、出産についての考えからは「そんな考え方もあったのか!」とハッとさせられる。
みくりのふとした疑問をきっかけに現代社会の様々な問題が描かれているため、この作品は「少女漫画」の枠に収まらない。
読むことできっと「結婚」や「経済」、「仕事」などと様々な観点で新たな考え方を得られるかもしれない。
2人を取り巻く周りのキャラクターもリアルだ。みくりの伯母で独身の百合はバリバリのキャリアウーマン。
津崎の会社の後輩である風見は「結婚にメリットが感じられない」と結婚を煩わしく思うイケメン。この2人の関係性も、ストーリーが進むにつれ徐々に変化しているために目が離せない。
最新刊では2人の関係性に新たな変化が訪れ、ますます面白くなっている。「結婚」や「生活」についてふと考えてしまうことがあるあなたに是非、読んで欲しい作品だ。
この記事を書いた人
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生まれも育ちも静岡県。青山学院大学文学部日本文学科卒業。音楽、ゲーム、文学、映画、漫画、アイドルといったエンタメ系コンテンツが主成分です。休日は主にライブハウスに出没。
以前は商社で物流を管理していたものの、一大決心した後に音楽の話題に特化したライターとして活動を開始。おしゃれで素敵なバンドの情報をどんどん発信していきたい次第です。
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