Lilcono(リルコノ)美容ライターのekoです。
今回は、「美容にも効く、読むサプリNo.2」ということで、川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮社)のご紹介を。
竹野内豊が主演したことでも話題になった『ニシノユキヒコの恋と冒険』。
小説を読む前に、映画を観に行ったという方もいるのでは?
ものすごくモテるのに、結局いつもフラれてしまう、その悲しみをニシノユキヒコ扮する竹野内豊がコミカルに演じていましたね。
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川上弘美という作家
2001年に『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞し、一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たした川上弘美。フワフワとした淡い恋愛ものを描いている作家というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
でも、実は学生時代にSF研究会に所属していたという過去を持ち、初期には、熊が普通に人と会話をしたり、藪で踏んだ蛇が女性になったり、もうこの世にはいないはずの人が目の前に現われたりと、川上ワールド全開の不思議な世界観を持った作品がたくさんあるのです。
『ニシノユキヒコの恋と冒険』も、冒頭の作品「パフェー」でニシノユキヒコの死を感じさせる描写があり、そこから10人の女性との恋愛が次々と描かれていきます。
http://free-images.gatag.net/tag/couple/page/6
手に入らないからこそ愛おしい?
実の姉の死を引きずり、満たされない思いを何かで埋めるように、女性たちとの恋愛を繰り広げるニシノユキヒコ。女性が望む時間・望む頻度で電話をかけ、望む言葉で褒め、望む甘え方をして、望むように叱らせる。
彼氏としては完璧で、でも完璧だからこそ、決定的に何かが足りなくて、そして最後には女性たちは皆、ニシノユキヒコを捨ててしまう。
彼女たちの一人は、ニシノユキヒコを愛することは「甲斐のある苦役だった」と笑います。
優しいけれど、いつもどこか上の空で、自分のことを本当には愛していない人。
だからこそ夢中になって、でも結局は傷ついて…そんな恋愛をした経験、誰しも一度や二度はありますよね。
手に入らないからこそ愛おしい、振り向いてくれないからこそ貴重で魅力的。
それが、ニシノユキヒコです。
恋愛心理学においては、お互いの情熱、感情的な結びつき、そして2人が一緒にいる必要性の3要素のバランスが保たれて初めて、恋愛は長続きすると言われています。
心理学者スタンバーグによって提唱されている愛の三角理論と呼ばれるこのバランス。
ニシノユキヒコには、この3つのどれもが少しずつ欠けていて、でも本当は誰かを本気で愛することが怖くて、わざとバランスを保たないようにしていたのかも?
淡々とした文章の中に、切ない感情が散りばめられた『ニシノユキヒコの恋と冒険』。
切ない片思いを経験したことのある大人女子必読です!
この記事を書いた人
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フリーの美容ライターとしてWEBメディアを中心に活動中。
得意分野は、スキンケアやヘアケア、体の中からキレイを目指す食事など美容全般。
現在は、過保護になりすぎた肌を脱却すべく肌断食にチャレンジしています!
自分の経験も生かしつつ、キレイを叶えるための美容に関するTIPSをご紹介できればと思っています。
最近のお気に入りBGMは、三浦大知『The Entertainer』
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