子供の頃、給食の後で顔を直視されると「気まずい」と、思わずうつむきました。くちびるの上の産毛が牛乳で白くなっていたからです。
それが嫌で、母の鏡台のひき出しをあけて安全剃刀を探し出し、大騒動を起こした苦い体験があります。
以来、顔そりは私の美容のテーマになりました。
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顔剃りは賛否両論
顔に剃刀を当てるのは、肌の表面を刺激するからと言う反対意見と、産毛といっしょに余分な角質が落ちてツルツルになる、と賛成派のふたつにわかれます。皮膚にとって剃刀の刃が異物であることは事実ですが、年配の芸妓さんに美肌の秘訣を尋ねると、「ひとつきに二度ほど、顔を剃ってもらうこと」。こう、答えていたことが印象に残っています。
化粧のりがよくなり、白塗りが映える餅肌を維持できるのだとか。
自然派の方々の「毛が生えるのも理由があるから、無理やり取り除いてはいけない」との考え方も捨てがたいのですが、やはり実際問題として、産毛を放置しておくわけにはいかないですよね。
レディース・シェービングは理容室で
しかし、顔面の皮膚は繊細で敏感なので、自己流よりもプロの力を借りるのがベスト。はじめは、ちょっと度胸がいると思いますが「床屋」で、理容師さんにお願いすると、仕上がりに感動します。
カフェのような入りやすい美容院とはちがい、理容室は、はじめに行ったときは、昭和風のレトロな雰囲気に圧倒されました。その上、スタッフも、お客さんも男性ばかりです。
「怖いなあ」と、うつむいていましたが、泡を塗った顔に切れの良い剃刀をすべらせると、エステティックサロンで受けるマッサージとは、また異なる気持ち良さ。
そして終わってみると、ワントーン顔色が明るくなり、手ざわりも変化しました。
「こんなに、私の顔はなめらかだったかな」と、心の角質まで剥けたような感動がありました。
顔そりは身だしなみでもありますが、スキンケアにもなるのです。
この記事を書いた人
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82年岡山県玉野市生まれ。同市在住。歌誌「短歌人」に出詠中。
新聞・雑誌の読者投稿を経て、2014年から、ライターとして活動開始。
短歌実作の話をすると、某読者様に「与謝野晶子みたい」と言われました。しかし、作品ではなく、外見のことだ判明して撃沈。以来、自称ニューハーフ顔だと信じこみ、たくましい髪質と骨格を、カバーしながらも、生かす美容と、ファンションを研究中です。
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