みなさんこんにちは。Lilcono映画ライターのトキエスです。
突然ですが、みなさんは「海外からみた日本」って気になったりしませんか?
だいたいアニメや歴史、そして日本食が有名!というポジティブな面は話題にすることもありますが、海外にはもちろん日本があまり好きじゃない…という人たちも。
私たちがその気持ちを理解するには「海外からみた(ネガティブな)日本」を見ることが必要なのかもしれません。
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今回ご紹介するのは2009年に公開されたアメリカのドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ(原題:The Cove)』。
タイトルは入江を意味し、和歌山県にある太地町で毎年9月に行われているイルカの追い込み漁に迫った内容です。
監督はスキューバダイビングのライセンスも保持しているアメリカの写真家、ルイ・シホヨス。そして主演はイルカの元調教師で過去30年以上もイルカの解放活動を行なっているリック・オバリーです。
リックは1960年代に人気を博したTVシリーズ『Flipper(わんぱくフリッパー)』で5匹イルカの調教師をしていたのですが、そのうちの1匹が自分の腕の中で死んでしまったことからイルカの解放活動を開始。
本作は、2009年の第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞をはじめ数々な賞を受賞。
これが日本の真実なのか?
私たちは知らずにイルカを「クジラ」として食べていたのか‥‥?
そんな衝撃的な事実が明らかになり、公開当時社会問題になるほどでした。
その事実とは、そもそもイルカはクジラの違いは大きさだけというものなので「クジラ肉」として売られていることは日本では重要視されていないということ。
他にもイルカには水銀汚染の可能性があり、それを食べてしまうことで「水俣病の二の舞になるのでは?」とも本作で指摘されています。
確かにスーパーで売られているものは誰も何も疑わずに購入してしまいますよね。それがクジラだろうが、牛だろうが関係なく。
また、本作は許可なく隠し撮りした映像で成り立っていること、日本人の英語の発音をバカにしたような表現があること、などなど様々な批判が(かなり)殺到。
本編を見ると、このイルカ漁は太地町”だけ”での問題のように思えますが、実はイルカ漁は他でも行われているという事実が。その他のエリアで撮影されたリックの活動の映像を、まるで太地町で撮影されたのでは?と勘違いしてしまうような編集方法も指摘され問題視されていました。
本作で出演している日本人は、出演依頼時に映画の内容について嘘があったと主張していました。インタビューに応じた水産庁の職員も「解雇された」とエンドロール時に流されていたのですがそれは事実ではないと非難していたり……本当にいろんな人が傷ついた映画だと感じました。
しかし、いろんな人が傷ついたのと同時に生きていくうえでとても大切なことを改めて実感させられたような気がします。
例えば、イルカを食べることを批判している人は平気で肉(豚・牛・鳥も立派な動物)を食べている、という事実。イルカが「可愛くて神秘的な生き物」だから重宝されているのでは?と気づかされます。お肉を食べることは悪いことだとは全く思いませんが、食べ物を粗末にしてしまうことはとっても悪いことだと思っちゃいます。
スーパーに肉が並んでいるのは当たり前だと思っている人もたくさんいると思います。私もそのうちの一人でした。しかし、私たちが食べているものは何かしら自然から恵んでもらったもの。そういう「当たり前だけど目を背けていた」ことを改めて感じて、毎回の食事に感謝してもらいたいです。
本作は、そんな自然の恵みに感謝したくなる映画でもあります。かなり衝撃的ですが、見る価値はあります。
この記事を書いた人
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神戸出身。音楽業界で様々な業務を経て、現在デザイナー&映画ライターとして活動中。
ライブやフェス、舞台等、感動を直接肌で感じれる場所が大好物。
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